統一原理より救われるまで【二度目の関り】① 相馬浩

二年後の春頃、また電話があった。今度は男の人だった。是非会いたいとしつこかった。何か嫌な予感はしたが、是非ということなので仕方なく会うことにした。
彼は私の寮に来た。壺が汚れているのを見て、もっと手入れをして欲しいようなことを言っていた。自分はあまり気にしていなかった。しばらく話しているうちに、「実は、先生がまたお会いしたいと言っています。」と彼は言った。自分は気が進まないので断ろうと思った。でも何か悪い予感がしたので、気が進まなかったが会うことにした。
数日後、国電船橋駅近くにある葵会館という所へ行った。中へ入ると以前と同じ異様な雰囲気であった。早く事を済ませたいと思った。席に着くと先生と言われる霊能者の方が来られた。しばらく世間話をした。
「実は、御先祖様が大変悲しまれています。あなたはあの壺を大事にしていますか。」自分は、余り大事にはしていないと答えた。それが非常に大事なことのようにその人は言った。そしてその霊能者の先生は、厄年とかを話して、「実は、今あなたは胃ガンに掛かっています。」と述べた。
自分は一瞬どきっとした。そういえば最近、顔色が優れないし、ガンは因縁の病気と聞いていた。あの壺を大事にしなかったために自分に災いが・・・と思った。その先生は言った。「ここにある高麗人参茶は霊薬と呼ばれ、霊的な不思議な力があるのです。今日からあなたはこれを飲み続けることにより、ガンを克服しなければならない。不治の病と呼ばれるガンも、この霊薬では治るのです。」
完全に信じることは出来なかったが、非常に怖かった。この二年間で貯めたお金が二百万ほどあったので、二百万円分（二十五個）購入した。信じられない事であったが、それを飲んでいると肌がつやつやしてきた。周りの人からも「つやが良いね。」と言われるようになった。やはりあの薬は素晴らしい薬だと思い、それからは毎日祈り、壺も手入れして欠かさず飲み続けた。