統一原理より救われるまで【入信】④ 相馬浩

札幌の家に着くとすぐ、家族四人で話し合いとなった。自分と父親は神様のこと、霊界のことで討論になった。父親は神様のことを否定し、自分の事を盛んに頭がおかしくなったとか、洗脳されているのだと言っていた。その時私は、父親が本当にサタンに支配されていると思った。母親はほとんどしゃべらず、妹は私の行動はあまりにも勝手すぎると言っていた。もうどうしようもないと思った。最初は家に泊る予定にしていたが、その場にはどうしてもいられなくなり、東京へ 帰ることに決めた。家を出たとき私は泣いていた。その時の 自分の心境から、神様の心情はこうなんだと言い聞かせた。とにかく東京へ帰ろうと思った。

千歳空港へ夕方着くと、飛行機は意外にも混んでいた。最終便まで待つことにした。でも乗ることはできなかった。札幌へは戻ることはできないと思った。ここで夜を明かすことに決めた。国鉄千歳空港駅の待ち合い室で時間を潰すことにした。宿もあったが、今はそのような所に泊る心境ではなかった。夜十時、十一時、十一時半頃に終電が出ると、その待ち合い室も追い出された。千歳空港の周辺は何もない所であった。

しばらくの間、寝れそうな所を探してみたが何もなかった。仕方なく駅の階段で寝ることにした。六月の北海道はまだ寒かった。一泊の予定だったので特に服も用意していなかった。寒さは身にしみた。眠れる状態ではなかった。時計も持ってなく時間もわからなかった。今は与えられた時だと思い、心から祈った。祈っても祈っても朝は来なかった。苦しかった。でもサタンに負けることはゆるされないと言い聞かせ、一晩中祈った。

次の日、東京に帰って班長に報告すると、「今は信仰が大事であり、いつか家族はあなたを通して救われるのだから。」と言ってくれた。皆そのような所を通過してきたのだなと思った。だから今私も本当に大きな試練の中にあると思った。でもこれを乗り越えて行かねばと言い間かせた。